冷蔵庫に入れておいたしいたけが、うっすら赤くなっていて「えっ、これ大丈夫…?」と不安になった経験はありませんか?
実は、しいたけが赤く変色するのは珍しいことではなく、必ずしも腐っているとは限りません。とはいえ、見た目だけでは判断がつきにくく、食べてもいいのか迷う方も多いはずです。
この記事では、しいたけが赤くなる理由や、食べても大丈夫な場合とそうでない場合の見分け方、保存の工夫などをやさしく解説します。
不安を安心に変えて、しいたけをムダなくおいしく使い切りましょう。
しいたけが赤くなる原因と食べても大丈夫な場合・危険な場合
冷蔵庫に入れておいたしいたけが、うっすら赤くなっていて驚いたことはありませんか?見た目が変わると「もう食べられないのでは」と不安になりますよね。
実は、しいたけが赤くなるのはよくあることで、必ずしも腐っているわけではありません。原因を知っておくと、安心して判断できるようになります。
赤くなる主な原因は「チロシンの酸化」
しいたけには”チロシン”というアミノ酸の一種が含まれています。
これが空気や水分、温度変化によって酸化し、赤っぽく変色することがあります。
食べても安全な赤いしいたけの特徴とは
・全体にハリがあり、しなびていない
・カサの裏がきれいな白色〜淡いベージュ
・酸っぱいニオイや強いぬめりがない
・触ったときにやわらかすぎず、適度な弾力がある
・切った断面に黒ずみがなく、みずみずしさが残っている
これらの特徴が見られる場合、赤みがあっても品質には問題ないケースが多く、調理しても味や風味に違和感は出にくいです。
赤くなる現象にびっくりしても、ほかの状態が良ければ、捨てる前にもう一度チェックしてみましょう。
食べてはいけない!危険な状態の見分け方
・カビが生えている
・ドロッと溶けている
・異臭(酸っぱい、腐ったようなにおい)がする
・触ったときにブヨブヨしている、または糸を引くようなぬめりがある
・手に持ったときに明らかに崩れそうなほど柔らかい
こうした状態のしいたけは、赤みの有無にかかわらず食べるのは避けましょう。特に見た目に異常がなくても、臭いや手触りに違和感を覚えたら、無理に食べないことが大切です。
チロシンの酸化とは?しいたけの変色のメカニズム
しいたけが赤くなる原因のひとつが「チロシンの酸化」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は体にも含まれる自然な成分。ここでは、どうして色が変わるのか、安心できるしくみをやさしく解説します。
チロシンとは何か?
チロシンはアミノ酸の一種で、しいたけや他のきのこ類に自然に含まれている成分です。
体内でも合成される成分の一つで、実は人の身体にも欠かせない栄養素の一部として知られています。
しいたけに含まれるチロシンは、収穫後の保存や調理中に酸化して変色の原因となることがありますが、それ自体は有害なものではありません。
チロシンが酸化して赤くなる仕組み
時間の経過や空気に触れることで、チロシンが酸化し、色が赤や茶色っぽく変化します。
この現象は「酸化反応」と呼ばれ、野菜や果物などでもよく見られます。しいたけの場合、特に湿度や温度の変化が大きいと酸化が進みやすくなり、表面や切り口が赤くなることがあります。
見た目はびっくりするかもしれませんが、腐敗やカビとは違うので、他の状態に問題がなければ心配しなくても大丈夫です。
他の食品でも起こるチロシン変色の事例
たとえば、大根やじゃがいもなども空気に触れたり、時間がたつことで切り口が黒ずんだり茶色に変色することがあります。
これもチロシンやポリフェノール類の酸化が原因であり、食品の成分が自然に変化している状態です。
中には色が変わっていても、しっかり加熱すれば問題なく食べられるケースもありますので、見た目だけで判断せず、においや質感も合わせて確認することが大切です。
腐っている場合の見分け方|赤いだけじゃない見た目の違いに注意
赤くなっていても、必ずしも腐っているとは限りません。でも、腐敗のサインを見逃すと危険。このパートでは「赤み」と「腐敗」の違いをしっかり見極めるためのポイントをわかりやすくお伝えします。
見た目でわかる腐敗のサイン
・カサや軸が黒っぽくなっている
・全体的にぐったりしている
・表面にぬるっとした膜があるように見える
・カサの縁がめくれていたり、シワが寄っている
見た目だけでも、いつものしいたけと明らかに違うと感じたときは、注意が必要です。特に軸の部分が黒ずんでいたり、カサの裏側が変色しているときは、傷みが進んでいる可能性があります。
ぬめりや異臭がする場合は要注意
触ったときにぬるぬるしていたり、ベタつきがある場合、すでに鮮度が落ちていることが多いです。ツンとしたにおいや、酸っぱいようなにおい、またはカビっぽいにおいがする場合も、食べない方が安全です。
手ににおいが残るようなら、かなり劣化しているサインといえるでしょう。
腐敗を防ぐためにできること
・早めに使い切る
・購入後すぐに保存容器に移す
・濡らさないようにする
・ラップやキッチンペーパーで包んで乾燥を防ぐ
・冷蔵庫内で温度変化の少ない場所に保存する
少しでも鮮度を保つためには、しいたけを扱うときに水分をつけすぎないよう注意しましょう。買ってすぐに小分けにしておくことで、必要な分だけ取り出せて無駄が減ります。
しいたけが赤くなるのを防ぐ保存方法
ちょっとした保存のコツで、しいたけの赤い変色や劣化はグッと減らせます。新聞紙や保存袋など、特別な道具はいりません。忙しい日でも簡単にできる、賢い保存方法を紹介します。
保存容器と包み方の工夫
新聞紙やキッチンペーパーで軽く包み、保存袋に入れて野菜室へ。これだけで湿気を防ぎやすくなります。
また、通気性のある紙袋などに入れておくと、余分な湿気がこもらずカビの発生を防ぎやすくなります。密閉しすぎると逆に湿気がこもるため、少し空気が通るように口をゆるめておくのもポイントです。
もし湿気が気になる場合は、乾燥剤を一緒に入れるとより安心です。
湿度・温度管理で変色予防
冷蔵庫の野菜室は10℃前後で湿度もやや高め。しいたけにとって適した環境です。できれば野菜室の奥の方、温度が一定に保たれやすい場所に保存しましょう。
また、庫内の他の野菜から出る水分やにおいが移らないよう、できるだけ別の容器やスペースに分けておくと、風味を損なわずに済みます。
劣化を防ぐ保存期間の目安とチェックタイミング
生しいたけは2〜3日で使い切るのが理想です。
ただし、購入時の状態や保存環境によっては、もう少し持つこともあります。毎日、カサの色や張り、においを軽く確認することで劣化のサインを早めに察知できます。
忙しい方は、購入日に使う分と数日後に使う分で分けて、後者は冷凍しておくと無駄がありません。
保存方法別|しいたけの賞味期限と正しい保管方法
しいたけの保存方法によって、食べられる期間は大きく変わります。冷蔵・冷凍・乾燥など、それぞれの特徴や向いているシーンを知っておくとムダなく使い切れますよ。
冷蔵・冷凍・乾燥の保存方法と期限の違い
- 冷蔵:2〜3日が目安ですが、湿度が高い環境では1〜2日で劣化が進むこともあります。購入後はなるべく早く使い切るのが理想です。
- 冷凍:1ヶ月ほど保存可能ですが、冷凍焼けや霜がついてしまうと風味が損なわれることもあるため、密封保存がポイントです。
- 乾燥:しっかり乾燥させたものであれば数ヶ月〜半年程度保存可能。ただし、湿気や直射日光を避けた密閉容器での保管が必要です。
腐るとどうなる?見た目・臭い・味の変化
くすんだ色やぬめり、酸っぱいにおいがあるときは、傷んでいる可能性が高いです。
さらに進むと、カサの部分がどろっと溶けたり、軸が黒く変色して柔らかくなることがあります。また、加熱してもにおいが消えない、味が苦く感じるようであれば、食べるのは避けましょう。
見た目やにおいだけでなく、調理後の味や食感の違和感にも注意が必要です。
おすすめの保存テクニックと長持ちさせるポイント
冷凍するときは石づきを取ってスライスし、ラップやジッパー袋で密閉しましょう。1回分ずつ小分けにしておくと、使いたいときに必要な量だけ解凍できて便利です。
さらに、冷凍前に軽く酒や塩をふっておくと、解凍後の風味がよくなるという声もあります。解凍後は再冷凍せず、すぐに調理するのがおすすめです。
生しいたけと干ししいたけでは赤くなる意味が違う?
生のしいたけと、干ししいたけでは変色の意味や理由が異なります。「干したら赤くなった…」と不安になる前に、それぞれの変化の特徴と扱い方をチェックしておきましょう。
干ししいたけの赤みの正体と保存の注意点
干ししいたけは乾燥によって水分が抜けることで、元の生しいたけよりも色が濃く見えることがあります。赤茶色やこげ茶色になるのは自然な現象で、品質が悪くなっているわけではありません。
また、干す工程で旨み成分が凝縮されるため、見た目が変わっていても風味は豊かになります。ただし、保存状態が悪いと酸化や湿気によって本来の色よりも黒ずんだり、表面がべたつくこともあるため注意が必要です。
風味を保つためには、高温多湿を避けた冷暗所での保管が理想的で、密閉容器やチャック付きの保存袋などに入れることで湿気を防ぐことができます。
戻すときの変色やにおいは問題?
干ししいたけを水で戻すと、表面の色がさらに濃くなったり、独特の香りが強く出ることがあります。
これは干ししいたけ特有の成分が溶け出すためで、基本的には問題ありません。ただ、あまりにも色が濃すぎたり、苦味のあるにおいがする場合は、一度お湯でさっと洗い流すと使いやすくなります。
戻し汁は出汁としても使えますが、においが気になるときは一度こすとよりクリアな味になります。
変色しても美味しく食べられる!しいたけ活用レシピ
赤くなったしいたけも、状態がよければ調理しておいしく食べられます。色が気にならないレシピや、切り方の工夫など、ムダなく使い切るアイデアをお届けします。
加熱調理で見た目が気にならないレシピ例
・煮物やスープ
・炊き込みご飯
・バター炒め
スープ・炒め物・煮物でおいしく使い切る方法
色が気になるときは細かく刻んだり、加熱料理にすればほとんど目立ちません。
まとめ
赤くなったしいたけを見つけたら、まずは以下のポイントを確認しましょう。
- 触ってぬめりがないか
- 異臭がしないか
- カサの裏がきれいか
- カビやドロッとした部分がないか
見た目だけで即「ダメ!」と判断せず、落ち着いて状態を観察することが大切です。保存方法も工夫しながら、ムダなく美味しくいただきましょう。